TSUBUYAKI

新しい生命の誕生は、新しい親を生み出します。
親と子の生きる力と生かす力が発揮できる環境を創り出す。
それこそが保育園の役割と考えています。

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「新制度と保育の質」

 私は今までのこの国の保育制度は、よくできているといってもよいのではないかと思っていました。ところが、急速な都市化、人口の移動や0~2歳児の入所増加などから、地域によっては、待機児が異常に増加し、社会問題になりました。一方、幼稚園では定員割れの園が多いということから、「幼保」を一体化すれば一気に解決するのではないかという考え方が強くなり、新制度の構築が大急ぎで進められました。しかし、思ったような成果はないようです。心配なのは園庭もない園が認可されたり、経営主体に株式会社まで認めていることです。「日本死ね」などといわれる前から、財政難にもかかわらず、保育は最優先政策とされていました。しかし、何事によらず、政府のやることは後追いになるものです。社会の変化が速すぎるのです。需要に供給を合わせるのは国の責任ですが、質が落ちてはならないことはいうまでもありません。子育てという大事業は失敗は許されません。園としては、保育に誇りを持ち、意欲をもってこれからも、最善の努力をしていくつもりです。制度がどうなろうとも、今までの姿勢でより良い保育を求め続けます。

 今、年長児たちはお泊り保育に向かって着々と準備を進めています。カレーに使われる野菜は、春から畑で育てられています。食材に親しむことは1、2歳児のころから日常的に「おしごと」として、玉ねぎの皮むきやゴマすりなど、親しんでいますから、料理は園児たちの得意とするものの一つといえるでしょう。その他の「おしごと」も家庭の実際の家事である掃除や洗濯などにつながる活動も色々あります。保育参加の際はそんな視点からも見てください。年齢ごとに発達の様子がわかり興味が増して見えると思います。そして、家でもできることをやらせてください。自分もやりたいという意欲のある小さいうちから、できることを家での「おしごと」として割り当ててください。「おしごと」の内容は成長に合わせて重みを加えましょう。お手伝いの習慣は生きる力を養い、学業の面でも柔軟な応用力として伸びるように思います。

 卒園までに身に着けて欲しいのは、学校という舞台での「生きる力」です。その1が身体的な力である体力と運動機能。その2が年齢に合った知力。その3は色々な人と交われる社会性の獲得です。自発的な「おしごと」など園の生活を通して、どれほどこの生きる力が身に着くかが保育の質として評価されるところです。

 親の愛は「かわいいと思う心」です。改めて考えるまでもなく、子どもを授かったということは大自然からの最大の恵みです。「かわいさ」が親心(母性愛)を起動します。点火された愛の炎のぬくもりが、乳児期の子に大切な「安心」となります。愛の炎に揺らぎや波があると、子どもは不安を感じます。

 これからも保護者の皆さんとともに心を合わせて、揺るがぬ炎で子どもを見守っていきましょう。